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猿も木から落ちる....なら
「一恵も壁から落ちる」
作業場の鶏舎側横に昔の納屋がそのつま残る。
私が知ってるのは、もちろん、私がここに嫁いでからだけど、亡くなったじいちゃんとおっきいばあちゃんが苦労して開墾したこの地に初めて家を建てる。すぐ後に、その納屋が建ったとか。歴史があるんだ。と言うか、ここでずっと、みんなを見守っていたんだね。
母屋は何度か建て増しやら改築やら建て替えがおこなわれた。
でも、その納屋....つかってもいないのに、そのまま残された。
亡くなったじいちゃんとおっきいばあちゃんには、一人娘が居た。
孫のさきの産みの親だ。
さきを生んで一年もしないで姿を消した。
その後、さきの父が一人で育てた。
でも、その支えというか手助けをするものが居た。
さきの父の同僚の敏ちゃん(敏子)だった。
独身、うら若き女性が0歳児のおしめを取り替える。
「なんで、私が....」と愚痴をこぼしながら。
その敏ちゃん、さきがホヤホヤ大学生の時に義理の母となった。
まっ、長い長い育ての親だったから、二人の間に抵抗などはなかった。
そして、夫婦になったさきの親がこの牧場にやってきた。
亡くなったじいちゃん、おっきいばあちゃんは大歓迎。
おっきいばあちゃんは「娘が帰って来た」と周囲に漏らす。
実の娘は、さきが高校生のとき....冷たくなって帰って来た。
連絡を受けたさきは父親と数時間車を飛ばしてやってきた。
そして初めて、実の母と対面。
葬式を終えて、さきは生まれ育った地へ帰って行った。
その実の母....さきの産みの親の思い出がぎっしりと詰まった建物が、その納屋だそうだ。
事実、その納屋の中二階のいくつかの大きな木箱の中には、その娘の思い出の品が入っている。
思い出....生まれ育って、進学でこの地を離れるまでの衣服など。
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この納屋と作業場は連絡通路のようなもので繋がったいる。
長さにして....4メートルほどの骨組みと作業シートの屋根だけ。
小さなショベルカーが通るときは取られる。
その納屋の板壁に、乾物や菜っ葉などがぶら下がる。前置きが長いね。(--;)
一恵、その板壁をするすると登ってはスルメや開きホッケを持って来る。
彩子も得意だった.....でも、則子は、うまくはできなかった。(笑)
昨日の作業での洗濯.....いよいよ終盤に....と、一恵が、バーンと横のドアを押してやってきた。
後ろをついて歩く三匹の子ブタども。もう、子ブタではなくなったけど。でっかいとは言えないけど....それなりに。つまり、食べごろ。(笑)
さきが重機の部品を研磨していて、私は洗濯機が頑張ってる間....週刊誌の読書。
一恵がそんな私に「スルメ、食べる?」と聞いてきた。
ニコッとしてうなづくと....作業場の壁を見渡す。
「ないね、あっちだ」と納屋へ走って行った。
豚どもも走ってついて行った。
ちょっとして、ドダーン、ガタガタ....
私とさきが「ハッ」と反応。
一恵に何かあった!
二人で走った。
一恵、三匹の豚の上で大の字.....?
作業場のストーブの前で一恵から説明を受ける。
壁をよじ登りスルメに手をかけた途端に落っこちた。
で、豚どもがおくて来る一恵を束になって受け止めた。背中で。
背骨、大丈夫か?と、さきが豚の背中を撫ぜる....
と、一恵が「母ちゃん、食べたらダメだよ」
どうして、うちの子どもらはそうなるの?
豚は頭がいい。
それが食用なんて考えると....ちょっとなっ。(笑)
と、いうことがありました。
一恵も壁から落ちる.....(^0^*
★★★
